遅刻（ｂｙ【ひ】）

「５！５時～～～！遅刻だっっ！」
「あいつら（同期・同部屋）何で起こしてくれないんだよっ」
市場勤めしてた頃の話をもう一つ。

早朝からの勤務が基本の魚市場。だいたい朝３時からが基本で、５時っていうと遅刻なんだよね。だから目覚ましはいつも朝３時前が当然で。

今頃(７月）の朝５時って昔も今も大差なく陽が昇った後で、もちろん明るい一日の始めのようなすがすがしさがあるはずなんだけど、当時の（きっと今も）朝５時は「全然暑いじゃん」、「朝も夜も変わらないよ～～」って位に毎晩が熱帯夜だった訳で。
そこで「５！５時～～～！遅刻だっっ！」って事になり・・。

辺りは明るくなり、同室同期の二人はすでに出勤。慌てて作業着に着替えて寮の廊下に飛び出す自分。もちろん廊下には誰一人見えず、この寮に取り残されたのは自分だけだっ。「遅刻だっ！」焦る、焦る・・・。そして、あわてて走り出し２階からの階段を駆け下りた瞬間！！。

裸にバスタオル一丁で風呂桶をかかえたナヤマシゲ？な先輩（もちろん男性）が階段を上ってくるんだよ。「な・なんで、は・だ・か？？」。
すると先輩、「 オメェ、何処行くんだ？」発言。「何処って？会社ですよ！」と自分。
すると先輩、「オメェ、何時だと思ってんだ？」発言。「何時って？５時ですよ！」と自分。
すると先輩、「 オメェ、今夕方だぜぇ～～」発言。「夕方？っすか？」と自分。

陽の光も、気温も、湿度も、目覚ましの時間も、そして偶然にも寮の部屋の中の風景も全てが朝５時に思えてしまった瞬間でした。当時はそれ位、朝から暑かったし・・・。これは帰宅してから昼寝した後の自分の完全な勘違いだった訳で。

そして同時刻、同室の二人はなんとパチンコで熱くなっていたと言う事でした。