自分はチキン= chicken=臆病者。だと言うのはつい最近書いた訳なんだけど・・・(2013.09.09 ひとりごと参照)。
子供の頃から床屋という存在はほぼ毎月のように訪れる場所なのに、この床屋という存在がチキンの自分にとっては厄介な場所だった。日頃から行きなれた床屋ならまだしも、初めて行く床屋はお店に入る事すら勇気がいる始末で。それに床屋の従業員の方と会話する事が苦手で、髪型の説明だけして後は狸寝入りしているのが普通だった。何しろ床屋に限らず初めての場所で他人と交わるって行為が苦手だった訳で。
数年前、田舎に帰った時の事。
当時の自分にとっての盆暮れは田舎に帰るのが当たり前で、これはきっと田舎がある人には当然の事なんだと思って疑わない人生だった気がする。そんな帰省中のある日。
「これではお盆どころじゃ無い」って話しと、「とにかく床屋に行け」って話しと、「身だしなみをしっかりしろ」と言う周囲の威圧的な話題の中心にいた自分だったんだけど、チキンの自分にとっては床屋なんて皆無だったんだよ。そこで我が兄貴夫婦の登場。「おらえのむがいの床屋さ行げ(俺の家の向かいの床屋に行け)」との助言が有り、その床屋さんに行くはめに。そして兄貴からは電話予約までしてもらい・・。
それまでの自分にとって「眉毛の下、剃りますか~~~」。この言葉は床屋の定番だったはず。が、その床屋さんでは「お兄さんには御世話になっていますよ~~」的な発言から進歩せず、自分から「眉毛の下だけは剃らないでください」と言ったにも関わらず、顔剃りの場面で何やら経験した事の無い感触が・・・。相変わらず床屋での狸寝入りの最中に感じた違和感。な・なんとこれが眉毛周辺にあるんだよ!!。
そして、「ちょっ、ちょっと待った~~~」って感じで目覚めた?時はまさしく時遅しって訳で、「ま・眉毛が細いぢゃん!!」て事になり。
兄貴宅のお向かいの床屋さんで文句も言えず、だからと言って「細眉」の自分をさらけ出す訳にもいかずに向かったのは地元の「海岸」。それも学生時以来のサンオイル持参で。
「とりあえずボールペンで眉を書こう。それと日焼けをしたらカモフラージュになるだろう」
浅はかなのか本気なのか、当時の自分にとってはそれしか思い浮かばなかったんだよ。
結局ボールペンで眉を書いたのは10代のあの時の友人と同じで、かと言って当時の自分は30歳代だったと思うと、いったい何が違うんだろうと思う自分でした。切ないです。