おかげさまで開店10周年を迎えることができました「ひさりな食堂」ですが、自分の店でもこの店はいったい何屋なんだろうって思う時もあるんだよね。
開業前、自分が思い描いたひさりな食堂はラーメン屋なんだよ。ただ専門店っていうのには抵抗があったのは事実で、この田園風景の広がる土地ではラーメン専門店は厳しいだろうって思ったんだよね。これは自分だけの見解かもしれないけど、お医者さんに例えると田舎(失礼な表現ですが)に行けば行くほど何でも屋のお医者さんが重宝されると思うんだよ。そして田舎では超専門のお医者さんは必要とされないと思うしね。
以前、魚市場に勤めてた時も周りの環境はそうだった。大都市の市場では問屋は専門がほとんどで、「マグロ」「海老」「鮮魚」「干物」など問屋は専門店で、中には「クジラ専門」ってのも昔はあったわ。今じゃ「クジラ専門」なんてのはないと思うけど、問屋も大都市だから専門店でもやっていけるんだと思ったね。その後、地方の魚市場に出入りしたら確かに専門色は薄れて魚介類一般的な問屋が多かったから自分の見解は間違いないと再確認したわけで。
飲食店も同じだと思う。今はネット社会で情報がはびこってるし交通の便も良くなってるから逆に地方の山奥の専門店が人気だったりするけど、人口の少ない田舎の駅前だったら「駅前食堂」的な何でもありの飲食店が重宝されるというのが自論だよね。だからひさりな食堂はラーメン色の強い何でも屋にしようと思ったんだよ。だけどあくまで売りたいものは「らーめん」だし、今でも自分ではラーメン屋なんだよ。実際に8割のお客さんは麺類を食すけど、メニューに載ってる限りは全てを一流でありたいと思ってるから手作り以外のものは提供しないし、材料も作り方も負けないようにしています。
そこで来年の抱負!
「専門店に負けない何でも屋に磨きをかける。」
ただ、それ以上に専門店をやりたい自分がいるのですが・・・。躍動の年にしたいですね!
一年間ありがとうございました。