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富士山④ 下山の意味(by【ひ】)

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「おいっ、おきろっ」「おいっっ」。先輩の声と共に頬にビンタが・・・。
20数年前のある日、富士スバルラインの下り3合目でバイクで転倒。その時、ヘルメットを脱がし意識の無い自分に必死に声をかける先輩のビンタで気がつき、第一声「ここどこですか?」。「お前、事故ったんだよっ」と先輩。正直、大酒飲んで悪い夢でも見てるのかと思った。左足の開放性複雑粉砕骨折と全身打撲で100日間の手術入院がその結果でした。

緊急手術ができず、いつ手術ができるか分からない状態の中で思った事。「こんなだったら左足切断したほうが治りが早いんじゃないか?」罰当たりな考え・・。それぐらい入院生活がきつかったのは事実で。あれから20数年がたち・・。

富士山下山の時、登りと違い4人わきあいあいでの下山となったんだけど、足のクルブシ位まで埋まるような火山灰の長い長い下り直線で、自分は靴底まで囲う「スパッツ」を装備していたのに対し、他の3人は無防備で靴に砂が入る状態だったのを良い?事に「ここで良いとこ見せてやろう」って調子にのってしまった。勢いづいて他の3人を尻目にドンドン下ってたんだけど、ふと立ち止まり後ろの3人を確認し、また歩き出した瞬間「右ひざが痛~~い!」「やばいっ」

それからは3人の後姿が遠くなり・・・。途中、「先に行っててください」と伝え足を引きずりながらの下山。同行の3人に迷惑と心配かけてしまった。一人淋しく山を下る、足をひきずりながら。何しろ早く例のコンクリートの部分にたどり着きたいって思ってた。人生あまり調子にのるなって事だと思い知らされた瞬間でした。

それから帰宅してふと思い浮かんだあの事故の事。「あんな嫌な想いをしたのになんで自分は富士山登ろうなんて思ったんだろう」?。きっと若かったあの時は、人間として富士山に登るような資質が共なわなかったんじゃぁないかって思った。富士山に認めてもらえなかったから事故を・・・。富士山に意思があり、「ここにくるのは30年早い」って戒めだったのかも。

確かに皮肉なことに右ひざを痛めた下山途中からは、事故で怪我をした左足一本で降りてきたようなものだし、今度はその左足に命を助けられたようなものだから。あれから20数年、富士山に意思があるのなら今の自分はどう映ったのかなぁ。

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tel.0263-50-6008
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