瞬間接着剤（ｂｙ【ひ】）

今は瞬間接着剤（アロンXXファ）っていうスグレモノが存在するけど、昔の接着剤って「セメダイン」（子供の頃はセメンダイだと思ってた）と「ボンド」位しか無かったような気がする。その「ボンド」なるものは小学生当時、親に「ボンドを吸ったらいけない」とか言われ、要はシンナー遊びの元みたいな感じで当時の自分には接着剤＝シンナー遊びみたいに思えていたんだよね。何しろ接着剤はいけない物みたいに思ってたんだよ。
それがいつの間にか日常になくてはならない存在に昇格し、今の自分にとっては必需品になっている日々で。

その瞬間接着剤（アロンXXファ）なるもの、何かと便利に使用できるけど元々は医療用に開発されたものらしい（未確認ですが）。要は傷口を貼り合わせる時に使用するということ。ある日、【さ】の弟が「相撲では怪我するとアロンXXファ塗りまくって治すんですよ」って教えてくれたんだよね。この弟、相撲のプロだった経緯があり真実だというのは歴然で。

そしてこの店の新規開店前の仕込み中の事。包丁って地べた（コンクリート）に落とすと刃が欠けてしまう んだよね。その包丁、作業中に誤って調理台から落とす瞬間に無意識にした行動。それは自分の足で受け止めるって事。そしたらその包丁、何と着ていたジーンズを突き破り「向うズネ」にズブリッ！あせる自分。どうする！？
そこで 瞬間接着剤（アロンXXファ）の登場！血が出ないように押さえながらアロンXXファを塗りたくって医療用テープでグルグル巻きで治療完了。新規開店当日に医者に行ってる暇なんてないもんね。

その後、傷が完治してから思ったけど「この傷、医者に行ってたら縫合するぐらいの程度なんじゃない」？って。実際あれから２年半以上経つけどその時の傷跡残ってるし、それに傷跡少し凹んでるもんなぁ。今でもちょっとした包丁傷なんかはアロンXXファでスイスイって感じで治りも早い気がするんだよね。一度お試しあれ！

ひさりな食堂、開店以来ご来店くださる全てのお客様のごひいきで無事営業できていると心から感謝の気持ちでいっぱいです。
けどそれは、決して「瞬間接着剤」で成しえた事ではないと認識しています。
商売には 「瞬間接着剤は存在しない」と肝に命じています。日々の積み重ねの上に成り立つものだから。自分は毎日良いスープを作るのが使命だと。