被災地の話④（ｂｙ【ひ】）

石巻で被災した仙台市のM崎さん。

「津波と追いかけっこした後、整骨院みたいな所にたどり着いたんだよ。そこには何人かの人がいて寄り添うようにしてたんだ。それに何しろ津波は何度も何度も来るんだよ」。
「夜になって、寒いし冷たいし外に出て他の場所に行こうとしたら、リュックを背負った汚らしいジイサンが「外に出るなっ！！！」って強く言うんでその場所にとどまった時に・・・・」
「もう一発、スゲー津波が来たんだ！」
「あれで持ってかれた人も沢山いると思うんだよ」。

時間にすると３月１１日の夜１１時頃だったらしい。報道では宮城県気仙沼市が火災で大変な事になっていた時間帯で。時に石巻では大津波が再度来ていたという瞬間。もちろんこれは報道されていない。現場の人間だけが知りうる事だと思った 。

「あんな事態の最中じゃなきゃ、あの汚い（失礼）ジイサンの言う事は聞かなかったかもしれないなぁ。年の功とでもいうのかな？。それに何しろ寒かったし冷たかったから」。とM崎さん。もしもジイサンの言う事聞かずに外に出たら夜の大津波にさらわれていたんだろう。

これが自分だったら、そのジイサンの言う事を素直に聞き入れただろうか？と思うとゾッとした。