学生生活が終わり、新入社員として企業に入社するのが我々の頃のほとんどの行程だった気がする。もちろん家業を継ぐ人や夢を追う人もいたのも確かで。
だけど自分の周りには際立って有名になったり、エンターテイメント的な要素のある職業に就いた人はいないのが現実。「類は友を呼ぶ」と 言う言葉があるように、要は自分にとっての分相応以上の人脈ができる事は無いというのも当時の本音だと思う。
そうして卒業後、入社した会社が魚市場の運営会社だった訳で。入社当初は始業時間やら業務の把握やらで寮生活を義務付けられたんだけど、その寮というのが何しろ何しろ暑かった。夏は毎日が「熱帯夜」で。
寮では毎朝3時前に起きるんだけど夏でも起きた時点から暑い!と言う事は寝る前はもっと暑い!。寮生活は3人部屋で、当店のHPのリンク先にもある青森のホタテ加工業者の社長と、もう一人は現在は宮城県気仙沼市でフカひれ業を営んでいるであろう男性が同室だった。(現在は彼とは連絡取れないけど、きっと今回の震災でかなりの被害を受けたと思われます。)そして、その気仙沼の彼だけが扇風機持参での入寮だった 。
何しろ暑い寮の夏。扇風機はおのずと気仙沼を向いている。そして寝息が・・・。そこでここぞとばかりに自分の登場!扇風機を自分のほうに向ける!そして夢の中へ・・・。
どれだけ眠ったろう?っていう位か、もしくは俺寝てたかい?って位の時に暑くて目が覚めると扇風機は今度は青森を向いている。そして寝息が・・・。
そうこうしている内に今度は扇風機の持ち主の気仙沼が起きて、又もや扇風機を自分方向に 向けて寝るのか!(これではイタチごっこだ)と思いきや何と扇風機を首振りにしたんだよ!これで全員が寝られる?はず・・・でもやっぱり暑いのには変わりなく。
自分の周りには際立って有名になったり、エンターテイメント的な要素のある凄い奴は別にいないけど、もしかしたらあいつが一番優しくて凄かったのかもしれない。と思ったね。
今から20数年前の夏の話だけど。