ここ信州では今年の松茸(まつたけ)は不作ならしい。
以前の自分にとって松茸は、某即席「お茶漬け」メーカーのN谷園 さんの「松茸のお吸い物」というのが一番身近なマツタケであったのは事実で。
ただ、本物のマツタケに触れた事がない田舎者、「松茸」の香りや食感がお吸い物の何処にあるのか?というのは分らなかったけど、世間では N谷園 さんの「松茸のお吸い物」はかなり本物に近いという噂が・・・。
そしてサラリーマン時代、某食品メーカーの懇親会で静岡県の熱海に 出向いた時の話。
その開催場所が凄かった。熱海の超老舗「割烹温泉旅館」みたいな所で、タクシーの運転手さんが門前で止まって「車で入ってもいいんですかねぇ?」っていうような門構えの旅館。きっと一泊?万円って世界だと思う。そこで人生初の松茸との出会いが・・。
懇親会が始まり席につくとこれまた凄そうな料理ばかりだったんだけど、そこに何だか怪しい物体が。急須のような土瓶のような器の口には松の枝がささっている「これは何だ~??」。
乾杯の後、やってきました「熱海の芸者衆」!!。そして唄に踊りに三味線のお座敷が始まり、芸者衆も気になるがこの怪しい器も気になって仕方ない田舎者「いったいこれは何だ~?食い物だろうか?誰にも聞けないし・・」。だけど、誰もいっこうにその器に手をつけようとはしないんだよ。気になってしばらくキョロキョロしていると、松の枝取ってフタを開けて何やら中の物を食べている人がいる。
さっそく自分も真似してフタを開けるとそこからN谷園の「松茸のお吸い物」の香りと、松茸らしき物体が。そうか!「こ・これが、ま・松茸 の土瓶蒸しか~?」って訳で。
正体が分ると俄然強気の田舎者、踊り終わった芸者さん相手に「この松茸の土瓶蒸し美味いですね」なんて偉そうに話しかけてる。実際は「松茸の土瓶蒸し」も「芸者さんの唄に踊りに三味線」も「割烹旅館」も初めてづくしの田舎者でした。