昔、Y沢E吉のベストセラー「成りあがり」に感化され・・・。
その本の中で高校を卒業したEちゃんが、アルバイトでためたわずかなお金を持って夜汽車で上京するシーンがあるんだよね。そして本当だったら東京まで行くつもりだったのに何故か「横浜」で下車してしまうんだよ。巷の話じゃ当時Eちゃんが憧れていた「ビートルズ」の生まれた町が港町だったから「港横浜」に降りたんだと言うのが定説なんだけど、実はただケツが痛かったから早く降りたかっただけと言うのが本当らしい。何しろ自分にとっては、Eちゃんが大きな夢を抱いて夜汽車に乗ったっていうのが印象的だったんだよね。
今から30年以上前の今頃、自分も高校を卒業して上京する事になり。
「俺もEちゃんのようにBIGになりたい。だから最終の夜汽車で行くんだっ!」そう決めた自分だったけど、実際に夜汽車に乗る時泣けてきたんだよ。なんで泣けたかは思い出せないけど、何しろビール片手に(未成年でしたが時効でしょ?)泣いた記憶があるんだよ。
いきがっていても、所詮は高校卒業したてのハナタレ小僧だったって訳で。結局、住むところも仕事も決めないで上京したEちゃんの足元にも及ばないって事。そんな時代もありました。
ところで数年前、当店設計のO建築家から建築工暴「J遊館」のM輪さんの怪しい未確認情報があったんだけど、それはこういう話で。
「数十年前のM輪さん。電車で信州に来てふらりと降りたのが安曇野。荷物はボストンバック1つだったらしい。そして偶然乗ったタクシーの運転手に仕事を紹介してもらったらしい」。
かなり怪しい未確認情報を身振り手振りで熱弁するO建築家。
ふらりと降りた安曇野で?しかも見ず知らずのタクシー運転手に仕事を紹介してもらった?これって「Y沢E吉」の現代版じゃん。「まさしくM輪伝説だ!」その時は感動の未確認情報だったんだけど。
後日、O建築家同席の時にその話の真意をM輪さんに尋ねると、
「そんな事あるはず無いじゃないですか~。何でそんな事になるんですか~」との事。
すると、O建築家のあまりにもリアルで自分で見聞きしたように熱弁したあの「M輪伝説」はいったい何だったんだろう。事実は闇の中に・・・・??。